秋の夜長に

2006年9月17日
歴史小説の読んでいて面白い所

『好きなキャラクターが活躍していく様』
『自分の知らなかった過去の歴史の詳細を見れる』

人によって違う所があると思うけど、私は
『人の心を読めるのが好き』

 日本史、世界史、空想SFの大河チックなのでも良いのだが
沢山魅力のあるキャラクターが居て物語が進展する。
当然それらの人間は人間である為色々欲があったり考えたりして
様々な行動をするのだが、その行動理由は人によって欲望のベクトルが
違うので当然様々であり、流されるだけの人だって当然居る。
物語の流れ自体は大体強いポジションの人の考え方によって流転していくけども。

 年月によって考え事が変わらない人もいればゆっくり考え方が変わっていく人もいて、何か事件によってがらっと考え方の変わる人も多いのだけど、それら多数のキャラクターの考えてる事は小説化されると
判りやすく読み解く事が出来てくる。
例えば権力に関する闘争であっても、様々な人間の思惑があるからこそ権力闘争になり、それぞれの思惑が鮮明に書き出されると流れが非常にわかりやすく、大体の場合キーになる存在のキャラクター程鮮明に心情の変化が描かれているので(心情を読もうとするならば)判りやすい。
 
 歴史小説の場合盛り上がるべき戦争だの政争を描いているのは小説全体の中ではそんなに長くない作品が多く、大体は地味に心情の移り変わり、戦争までの様々な思惑を描いていてそこに飽きてしまう人も多いと思う。盛り上がる所まだー?とか思って流し読みしてしまう人も多いのではないだろうか。
 だがしかしそこがオイシイ読み所、じっくり読んでいくと上側の人を惹きつける魅力は何か、下側の気持ちはどう変遷するか、それぞれのキャラクターの考える事の大きな違いや考えてる事を行動に結びつける人・結び付けない人、色々な物をその時の背景のままに思い浮かべて読んでいくと人の心の動き方が大変面白く、参考になる。

 実世界だとお互いの考えてる事なんて推測に頼る事が多いのだが、
小説の中だと書き手側の工夫次第でそれが非常に鮮明に判りやすく伝わる事は多い。
映画だとピンポイントでしか伝わってこない感情や考えの詳細、特に移り変わり等も文章化されると読み解く事が出来、映画とは違った感情移入出来る事もあり、権力・欲望・自己愛等といった人間の様々なテーマに関して色々考え参考に出来るのが歴史小説の面白い所だと思う。 

 まぁそこを面白いと思うかどうかは人それぞれで、自分は経営管理や
集団行動心理等に興味があるから面白いのだけどもね。

 出来れば感情移入がしやすい様に元々軽くでも知識があるキャラクターや時代・世界を描いた作品を読む事が最初は好ましいと思う。
恋愛にしか興味が無い!って人にはお勧めしがたいが、
人の心の移り変わりや感情によって歴史が進行する様を見てみたい方は
秋の夜長にひとつ如何か。

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